2017年10月3日火曜日

産後の骨盤矯正と激しい腰痛 症例報告 【30代 女性 会社員】

● 初回 患者さんより
家族含め海外の知人が多く飛行機を頻繁に利用する。産前はあまり気にならなかったフライト後の腰痛が産後から急に激しくなった。以前カイロプラクティックは何度か施術を受けたことがあり、急激な変化と腰痛に耐えられずご来院。恐らく骨盤が原因なのもわかるが自分ではどうにもできないので何とかして欲しい。
● 施術者担当 初回所見
骨盤の歪みは検査しなくともうつ伏せの状態ではっきりわかる。左右の足の長さの差は1.5~1.7cmくらい。期間は長めにかかるかも知れないが、初回の施術でも脚長差が1cmになる程の大きな変化は見られた。普段の姿勢などの生活習慣からも見直し継続矯正を提案する。
腰のトリガーポイント(痛みや歪みの原因になる筋肉のシコリ)は広範囲、且つ奥深くまで硬くなっている。感覚が鋭敏なようで、特に腰周りは強く押圧すると身体が強張ってしまうため、弱めの圧を当てていく。トリガーポイントに強弱はあまり関係なく、ポイントに当たりさえすれば効果は期待できるので、骨盤矯正との相乗効果と合わせてしっかり解していく。


◎ 2回目 患者さんより
初回の次の日、腰にやや揉み返しの様なダルさが出たがすぐに治まった。骨盤矯正の効果は大きく、元の位置に戻っていく過程で逆に歩きに違和感を感じたくらい。
腰はまだ重さがあるが動きはよくなったかも知れない。
◎ 施術者コメント
矯正においては骨格が元の位置に戻る際に感覚異常を感じるのはよくあるケース。逆に言えばそれだけ身体が歪んでいる、ダメージを受けているのを自覚できるチャンス。意識改革に繋げていきたい。
今回の骨盤矯正は初回ほどではないが少しずつ戻っている。続けていく事が大事。これはボディケアにおいて非常に重要な考え方。
腰は全体的に硬かったコリのポイントが、まばらに散ったような状態。前回よりも筋肉は大分柔らかくもなっており、押圧の感覚にも若干の慣れが見られる。

◎ 5回目 患者さんより
帰郷していた為、施術の間隔が空いてしまうので心配だったが飛行機を利用した後も以前よりは腰痛など軽く感じるようになった。歩く時の違和感も少ない。腰は押されても嫌な痛みは無くなってきた。
◎ 施術者コメント
約1か月程の間が空いてから再来院。初期の4回で間隔を詰め、自己回復力をきちんと向上させることができていた様子。腰のコリは往復で2回、長時間の乗り物(飛行機)移動という負担にも関わらずあまり肥大や硬化などは見られない。しかし骨盤はやや歪みが出てしまっている。これは継続して矯正していくと共に、座る時のクセなどによる所も大きいので坐り方の指導を行い、合わせて改善を目指す。

 ~現在(2回目) 患者さんより
5回目以降で坐り方を変えてみた所、少しずつだが腰に変化が出ている様な気がする。劇的な変化の自覚はないが疲れにくくなった感じがする。12回目の施術を受けた後で骨盤や歩行時の違和感、痛み等はほぼ無くなった。産休が終わり仕事に復帰した事もあり、今では腰痛よりも肩や首の重さ・怠さが辛い。
◎ 施術者コメント
仕事と子育ての両立によって全身に疲れが溜まりやすい状態になっている。一度向上させた回復力は急に落ちるものでは無いが、忙しいからとケアを疎かにするとその限りでは無くなる場合が多いので頑張って月に一度は来院されるように提案する。

※ 施術者総括
E.Hさんは骨盤の歪みの症状でご来院されましたが本当に困っているのはどちらかというと腰痛でした。乗り物で移動するときは大抵、腰をシートに沈める形になりますね。要は背中が丸まっている状態です。この状態での長時間の同じ姿勢は腰にかなりの負担を掛けます。よって、ただでさえ産後のダメージが回復しきってない骨盤周辺に、飛行機移動等の負荷が更に掛かった結果、あわやギックリという程の腰痛になってしまったのでしょう。
立ち方も坐り方も普段から正しい姿勢を保てるようになれば腰痛になりにくい状態を維持しやすいです。骨盤を矯正するのも大事ですが姿勢というのは全身に関わるとても大事なことなのです。気を付けていきましょう。